再生医療においてフィルムや膜技術が重要な役割を果たすことは最近多く耳にされていると思いますが、そのフィルムの表面特性を改善・制御するための手法の一つとして「プラズマ処理」が活用されることがあります。プラズマ処理は、フィルムの表面を微細に改質する技術で、再生医療においては主に細胞の接着性や成長性を向上させるために利用されます。
プラズマ処理と再生医療のフィルム技術の関連について詳しく説明します。
1. フィルムの表面修飾
プラズマ処理は、フィルムや膜の表面特性を変化させるための有力な技術です。再生医療で使われるフィルムは、細胞が付着しやすい表面であることが重要です。しかし、多くの材料はそのままでは細胞がうまく付着しないことがあります。プラズマ処理によりフィルム表面を改質することで、表面の親水性や疎水性を調整し、細胞の接着性を向上させることができます。
例えば、ポリマー製のフィルムはそのままでは細胞が付着しにくいことが多いですが、プラズマ処理により表面を親水性に変えることで、細胞がフィルムによりよく接着し、成長が促進されます。
2. 表面の機能化
プラズマ処理は、単にフィルムの表面特性を変えるだけでなく、特定の官能基をフィルム表面に付加することができます。これにより、フィルム表面に生理活性物質(成長因子、タンパク質など)を結合させ、細胞の増殖や分化をさらに促進する機能を付加することが可能です。
例えば、フィルムにアミノ基やカルボキシル基などの官能基をプラズマ処理によって導入し、これらが細胞外マトリックスや特定の生体分子と結合するように改質できます。これにより、細胞がより活発に機能し、再生プロセスが効率化される可能性があります。
3. プラズマ処理によるフィルムの殺菌
再生医療に使用されるフィルムや膜は、無菌状態である必要があります。プラズマ処理は、物理的な殺菌方法としても効果的です。高エネルギーのプラズマがフィルムの表面にある微生物や細菌を破壊し、無菌状態を保つことができるため、再生医療における感染リスクを低減するのに役立ちます。
4. プラズマ処理によるフィルムの分解性制御
再生医療で使用されるフィルムやスキャフォールドの多くは、体内で時間と共に自然に分解される必要があります。プラズマ処理は、フィルムの表面だけでなく、全体的な分解性を制御するためにも使用できます。フィルムの表面構造や官能基をプラズマ処理で変更することで、体内での分解速度を調整し、適切なタイミングで分解するように調整することができます。
5. ナノスケールの構造制御
プラズマ処理により、フィルム表面にナノスケールの微細な凹凸を形成することができます。これにより、細胞の成着率や細胞の移動、成長をより良く制御できることが期待されています。特に、幹細胞や特定の細胞の分化を誘導するためには、表面の物理的特性が重要であり、プラズマ処理による微細構造の制御が有効です。
これらのように、プラズマ処理はフィルムの表面特性や機能を調整する強力な手法であり、再生医療において使用されるフィルム技術を最適化するために活用されています。細胞の接着性や成長、分化を促進し、さらに無菌状態を維持するなど、プラズマ処理の多様な特性が再生医療の技術を支えています。
素材には、そのものにしかない特徴があります。異種素材の結合、融合によりこれまで生きる上で便利で必要な新素材を積層技術によりまかなわれてきました。ここにきて、地球存続の危機を訴え始められたことにより地球に悪いと言われる悪玉物質の使用制限が始まっています。でも悪玉と言われる物質が素材通しの融合の助けを多くしてきました。
悪玉物質が使用出来ない今、結びあうことが出来ないといわれている素晴らしい機能を持つ材料がMSRには持ち込まれてきます。
MSRプラズマが地球の為、未来の為 やさしい技術として今日も活躍しています。
表面改質の実績
PE(ポリエチレン)
PP(ポリプロピレン)
PI(ポリイミド)
PC(ポリカーボネート)
PMMA(アクリル)
COP(シクロオレフィンポリマー)
COC(シクロオレフィンコポリマー)
FE(フッ素)
AL(アルミ箔)
CU(銅箔)
NI(ニッケル箔)
グラファイト
亜鉛箔
モリブレン箔
繊維
膜